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Disney "Frozen II" 小説・アナと雪の女王2・英語版 [海外]

2020年5月18日の日記

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ようやく,"Frozen II" を読み終えました。3月に映画 "アナと雪の女王2" を遅まきながら見たばかりです。やっぱり,ストーリーは難解で,iruchanは2回見に行きました。それでも,よくわからなかったし,なんと言っても,どうしてもあのエンディングにはちょっと納得できないんですけど,それ以外はとても感動して角川文庫の邦訳を読んだところです。

というところで,今度は原書を....と,思ったのですけれど.....。

まあ,ストーリーは日本語版とまったく同じですから当然,先ほどのリンク先のブログをご覧いただくとして,今日は英語のことを書きたいと思います。

まあ,そもそも副題がThe Junior Novelと謳っているのですが.......。

正直,とんでもないです。

日本の高校生レベルじゃ,とても読めない内容です。まあ,映画を見ていれば,本の方は忠実に映画に沿って書いてあるので,問題ないんですけどね.....。”アナと雪の女王” の場合は映画が先で,本があとですからなおさらです。でも,普通はこの逆で,映画は原作と違う内容,と言うことも多いので,もっとむずかしいわけですね。

iruchanは英語を勉強しているので,本ブログでも書いていますが,日本語訳があるものはできるだけ,ペーパーバックを読むようにしています。実は,昔はまったくそうじゃなかったんですけど,今はamazonあたりでペーパーバックも安く手に入りますし,日本語版よりたいていは安いですしね。

実際,この本は今日現在,amazonで1,016円ですが,iruchanはAbe Books経由で送料込み$5でした。

とはいえ,文学作品の洋書は普通は避けることにしています。

というのは,やはりむずかしい,と言うこと。

今回の "Frozen II" もそうでしたけど,文法は高校生レベルでOKとしても,とにかく単語がむずかしい。いくら,Junior Novelと言ってもやはり文学作品は手強い,という認識を改めてした,と言う次第です。

iruchanがいつも読むのはノンフィクションの歴史や戦争もの。また,一応,iruchanはエンジニアなので,工学関係の技術史関係のものが多いのですが,こういう本は,単語は専門用語をいくつか覚えておけば,あとの単語は平易で,それほど苦労はしません。

でも,この "Frozen II" は手強いです。

問題は,われわれ日本人が普通は習わない,実際に生活に必要な単語がたくさん出てくるんですが,それらは当然,受験や英検などで出てこないので習わないから,ですね。実際に海外に留学や仕事などで生活してみないと使わない,というか絶対に必要という単語でも,受験や仕事に関係なければ覚えないですしね.....。

文法的には,やはり空想物語,と言うせいか,やたら仮定法が出てきます。1ページに3個あったりして結構面倒です。まあ,仮定法は高校で習うので,高校レベルの文法の知識があれば,と言うよりiruchanもその程度なんですけど,十分だと思います。

ただ,単語はむずかしい。

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     "Okay. Cuddle close. Scooch in."

cuddle(抱きしめる)は知っていましたけど,scoochってなに? って具合です。

ここを母親役の吉田ひつじは,”さぁ,くっついて。もっと詰めて。” ってしゃべってます。

これで正解! なんですけど,iruchanはscoochって単語は知りませんでした。

ロングマンのLongman Dictionary of Contemporary Englishにも載っていませんし,オックスフォードのDictionary & Thesaurusにも載っていません。

ネットを見ると,weblioは "脇へどかす,移す" とあって,この状況では意味不明ですね。ようやく,"ぐっと近づける"、と言う意味のアメリカ英語のようで,アメリカでこういう風に,横に座った人(子供が多いと思いますけど)に対してよく使うようです。電車に座っているときなどにも使うようです。

このあと,

        The queen fluffed Elsa's pillows and ....

とあるのですが,fluffがわからない。ついでに,なんでqueenと小文字なのかも,ちょっと疑問なんですけどね。

まあ,形容詞でfluffy(ふわふわ)と言う単語があるので,まくらを少しただいて "膨らませる" か....... と想像できる,と言うような具合です。

と言う具合で,かなり単語は手強いです。だいたい,1ページに3個くらいは知らない単語がある,と言う次第で,洋書を読むときのコツとして,辞書を引かないとよく言われますけど,それは辞書を引き出すと全然前に進まないし,そのうち疲れちゃってあきらめちゃう,と言うことになるためで,極力想像で意味を推定して進む必要がありますが,それも程度問題で,1ページに複数個,知らない単語が出てくると難航します。

こういうときはiruchanは知らない単語に鉛筆で印をつけておいて,あとから調べることにしています。こうでもしないと,全然終わらないし,辞書を引き始めたらもう止まらなくなっちゃいますからね.....。

あと,興味があるのは,やはり映画のいろんな場面を英語ではどう表現しているのか,ということですね。これはとても関心があります。

最大の見せ場だとiruchanは思っているのは、エルサがアートハランで母親と再会するシーンですね。そう,松たか子さんが "見せて,あなたを" を熱唱しているシーンです。 本当に前回もそうでしたけど松たか子さんは素晴らしい!!!

frozen2-120.jpg 見つけた~~!

なぜか,ここは英語の "Show yourself" では "I am found." って受動態になっています。とすると,探していたのは母親,と言うことになりますね。なんか変! My mother finds me. なんでしょうか。

最後,エルサがアートハランにたどり着いて,来てはいけないところまで来たために精霊の力に負けて? 身体が凍りついて死んでしまう場面ではどうなっているか,と言うと.....。

The ice crept up her neck and toward her face. At that point, she had gone too far, just like her Mother's lullaby had warned, and there was no way to return. She gathered all her magic to release in a last-minute signal to Anna. Only one stream of magic escaped, slicing through the air.

"Anna...." she called out desperately. A second later, she was completely encased in ice.

氷が彼女の首まではい上がってきて,顔に迫った。このとき,母親の子守歌が警告していたように,遠くへ来すぎてしまったことに気がついた。もう,戻れない。すべての魔法の力を込め,最後のシグナルをアナに送った。ひと筋の魔法が手を離れ,空気を切り裂いた。

"アナ......" 必死になって叫んだ。その直後,彼女は完全に氷に閉じ込められた.....。

となっています。 encaseなんて動詞があるのですね。

frozen2-145'.jpg うぅ.....。

frozen2-154-1.jpg アナ~~!

このあと,アナはエルサの死を直感し,オラフも消え,嘆き悲しんだ末に,アナが翌朝,再び立ち上がってすべての問題の元凶であるダムをアースジャイアントに破壊させるわけですが....。

このとき神田沙也加さんが泣きながら歌っている,"わたしにできること" も本当に絶唱だと思います! 

実は,この前,映画にはないシーンがあるようです。

エルサが凍死したあと,魔法が解け,オラフも消えていくわけでが,加えて,前回,エルサが作った氷の城も溶け始め,中の壮大なシャンデリアが落下して壊れるとか,その城が溶けていくのをアレンデールにいるトロールのパビーが気がつき,エルサの死をどうやって市民に告げるか悩む,と本にはあるのですが,映画では割愛されています。

でも,このシーン,あった方がよかった,と思います。最後の方があまりにも急展開過ぎて,アナ雪に限らず,ディズニーのアニメは子供向け,と言うこともあって,普通の映画より短いんでついていけないということが結構多いと思いますけど,アレンデールの市民たちが女王の死を知らなかった,ということになるので,あった方がよかったと思います。市民が嘆き悲しむシーンもあった方がより印象的だったかと....。

それと,今ごろ気がつきましたけど,エルサが凍死する前,氷が身体をはい上がってくるのを魔法で払いのけようとするというのが本書にあります。映画ではなす術もなく,凍りついちゃいますけど,▲の文章の前に,She tried to use her powers to force the ice off her, but it didn't work. とあります。 

ただ,脱線ですけど,映画でもはっきりと理由は示されていないので,エルサがなぜ死ぬのか......英語のサイトでも結構,話題になっているようです。これも謎ですね.....。

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  この波の描写の映像もすごいですけど.....。実写と見まごうばかりですね。

あと,気になるのは最後に,アレンデールが大洪水に飲み込まれようとするとき,復活したエルサが最大限の魔法の力で大波を破壊するシーンですが,

Elsa reached out and magically pulled back the wave with the Water Spirit supporting her. She made the water crest and curl back towrd the fjord---where its energy dissipated as the water moved away from the village and the castle of Arlendelle.

エルサは到着し,水の精霊が彼女を支えて波をはね返した。波のcrestを作って波をフィヨルドから押し返した---そこで波のエネルギーが消え,水はアレンデールの村と城から去って行った。

問題はcrestと言う単語なんですけど......。普通は鳥のトサカです。ほかにもかぶととか,もののてっぺん,頂上とか,波の波頭と言う意味があるのですが,どうにもしっくりきませんね。角川文庫は氷の壁と訳していました。

frozen2-178.jpg やた~~!!

それにしても,本を読んでいてもずっとハラハラする展開で,最後はようやくエルサと再会し,オラフも復活して大団円,なんですが,最後にオラフが,”このあとも毎日,危機一髪,という展開になっちゃうの?” って聞くシーンがありますけど,

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"Or is this putting-us-in-mortal-danger situation gonna be a regular thing?" って言ってます。危機一髪はmortal dangerでいいはずですが,どうしてハイフンで全部つながっているんでしょ。映画のシナリオではputting us in mortal dangerと分かれているようです。

また,戴冠式のあと,アナがお披露目する場面でも,映画ではないシーンがあるようです。

frozen2-207.jpg アナ女王です.....。

  なんか,"ローマの休日" のエンディングみたいですけど.....。

このとき,

”Presenting Her Majesty....Queen Anna of Arlendelle."

But, when curtains parted, no one was there.

"When should I go?" said Anna. "Now? Right now? Okay." She peeked around the tent at the crowd and then stepped out......

とあり,カーテンが開いたのにぼけていてお出ましせず,カーテンの隙間から下々の人々が待っているのを覗いてから出てきたようです。アナらしく大ぼけかましてますね.....。

前作で,姉の戴冠式で同じシチュエーションがあったわけですから,このシーン,あったら面白かったのに,と思います。

ところで,こちらは映画と同じシーンでしたけど,銅像の除幕式に行くときには,

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       さあ,マティアス将軍....。

"Halima...General Matias." Anna greeted them. She had been honored to promote Matias to his new position on her first day of queen.

とあります。いったい,こいつ,どこまで昇進してんだよ....と思いますね。クーデター権力掌握の論功でしょうか。

中尉 First Lieutenant→大尉 Captain→少佐 Major→中佐 Lieutenant Colonel→大佐 Colonel→少将 Major General→中将 Lieutenant General→大将 Generalです。普通,Generalと呼びかけるのは少将以上だと思いますが,えらく出世したものです。それに,そもそもこいつもすべてを知っていたのに,最後までずっと黙っているわけなんですけど,反逆罪なんではないでしょうか。

     ☆          ☆          ☆

こうしてようやく "FrozenII" のペーパーバックが読めました。かなり単語には苦労しますけど,映画を見ていればなんとか読めるレベルだと思います。

ただ,それにしても,日本語版,英語版,両方読みましたが,謎ばかり。ちっとも謎は解けません。

そもそも,やっぱり母親がくせ者。

本来は,ダム竣工時に修羅場と化した森の現場からアレンデールへエルサたちの父親となる皇太子を連れ戻したのは母親だし,空を飛んでいたりするので母親も精霊なのか,それとも魔法を使えるらしいのですが,その点がはっきりしません。まあ,そんなことはどうでもいいとしても,一部始終を全部知っているはずなのに,謎を解くなんて称してダンナ(国王)を道連れにして難破して死んでしまうわけですし,今度は2人の娘を呼んで命の危険にさらす....なんて母親のすることか!? って思うのですけれど....。

さらにはエルサやアナたちも魔法の秘密のみならず,ダムを象徴とする環境破壊問題,ノーサルドラのような先住民に対する迫害や人種差別問題,果てはエルサがレズビアンだとして性の多様性の問題まで彼女たちにしょわせてしまい,彼女たちの責任や,扱うテーマが重すぎる,と思いました。

それに,純粋に娯楽と考えても,これでストーリーは完結,となったらしいので,これじゃ,次作は期待できそうにないですね。なによりエルサがかわいそうだし,今もiruchanは落ち込んでて,全然ハッピーエンドじゃない,と思っています。

     ☆          ☆          ☆

最後はちょっとシリアスな話を....。

iruchanはマティアス将軍が黒人として描かれているのが気になっています。

彼が写真を見て,魔法の紙とびっくりしているシーンがありますが,印画紙の発明は1850年頃なので,アナ雪2もその頃の時代だと思います。

その時代,果たしてヨーロッパで黒人の兵隊さんがいたのか.....。ましてや彼は中尉だったのですから,士官ですよね。黒人士官というのが19世紀にいたのでしょうか.....。

米軍で本格的に黒人部隊が登場するのは第2次世界大戦以後のことです。第1次世界大戦の時は,欧州に出兵した米軍に黒人がいましたけど,信用できない,と差別され,補給などの後方任務が主体でした。

それに,そもそも欧州では長い間,戦争は貴族の仕事とされていたので,果たして19世紀半ばの各国の軍隊で黒人がいたのか....。ヒトラーがドイツ陸軍の幹部から馬鹿にされていたのも,彼が平民の出だからで,ドイツ陸軍には貴族出身の士官がまだ多かったためなのはよく知られていますね。

英国をはじめとして,奴隷貿易が欧州でも盛んだったし,アフリカを次々に植民地化していったので,欧州でも黒人人口が増えていた,と思いますが,ほとんどは最下層の職業に従事していて,軍の士官や,最近,NHKでやっていた, 英BBC製作の "レ・ミゼラブル" で敵役のジャヴェール警部が黒人だったのに大いに驚きましたけど,こういう警部というような公務員,それも中尉や警部などのハイランクの公務員に黒人が採用されていた,とはとても思えないのですけど.....。ガンジーがロンドンに行ったとき,彼はインドでは弁護士をしていて立派なエリートだったのですが,喫茶店には入れなかったので憤激した,と言うエピソードもありますから,欧州での黒人や有色人種に対する差別はひどかったと思います。

前回,ノーサルドラがアジア系黄色人種として描かれているのに,クリストフやアナ雪の母親が白人として描かれているのは "美しいものは白人" という意識に基づいた,差別ではないか,と指摘しています。

それと反するようで,忸怩たる思いもあるのですが,アナ雪2にしろ,レ・ミゼラブルにしろ,黒人や有色人種の子供も見るので,その子供たちに配慮してヒーローとして黒人を登場させている,のではないでしょうか。

これはこれで,歴史を歪曲し,事実を伝えていないのは問題ではないか,と思います。 

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